ポリファーマシー

いくつ薬を飲んでいますか?

第10回高齢者医薬品適正使用検討会(2019年4月24日) の資料では
75歳以上の1/4が毎日7種類以上のお薬を飲んでいます。
4割の人は5種類以上のお薬を飲んでいます。

これは薬局で処方された薬の統計ですから
ひょっとしたら院内処方の医院からもらっていたり、他の薬局でもらっていたり
してお薬手帳を出していない場合はもっと飲んでいる方がいるかもしれません。


なぜこのようにたくさんの薬が処方されるのでしょうか。

①お薬には必ず副作用があります。
代表的なものが胃腸症状(吐き気、胃痛、便秘、下痢など)
それに対してお薬が追加されます。

最初からセットで出される場合もあります。

② 高齢になると色々な診療科にかかる人も増えます
となるとそれぞれの科でお薬が処方されます。
胃薬が重なって処方されていることはしょっちゅう見かけますが
院外薬局で整理されることはほとんどないのが現状です。

その他の薬も同じような作用の薬が違う症状に対して出されることもあります。

③ 他の科の先生が処方された薬を触ることはなかなかできません。

症状を抑えるために良かれと思ってどんどん薬が増えていくということもあります。

たくさん薬を飲んでいると困ることはなんでしょうか?

どの薬が効いているのかわからない。
たくさんの薬の組み合わせで思わぬ副作用が出ることがある。
生死に関わる重篤な副作用が出ることもあります。

例えばパーキンソン症状、認知症状、喘息発作、脱力、せん妄は
私が実際に診たことがある副作用の一部です。



救急で入院された患者さんが薬が飲めない状態のことがよくあります。
その場合は落ち着くまで今まで飲んでいたお薬は当然すべて中止になることが
あります。

それにより困った症状が出ることより
何にも起こらないことの方が多いです。

元気になったら
退院されたら

すべての薬が再開されます。
大抵の場合は。
増えることもあります。


本当に今飲んでいる薬が必要かどうか考えてみませんか?

お薬になるべく頼らない生活、簡単にできることがたくさんあります。

薬に救われた??

痛み止め常用していませんか?

ちょっと頭が痛い時、熱が出た時、腰が痛い時、生理痛の時
痛み止めって本当に便利ですよね。
湿布もそうです。

実は私も結構愛用?していました。

ある時消化器内科の先生に痛み止めによる胃潰瘍の発症って結構多いんだよ!と
言われました。
調べてみると痛み止めだけ飲んでいる場合4~43%の頻度で胃潰瘍が起こると報告されています。

それを聞いてからは私はなるべく痛み止めを飲まないようになりました。



ちょっとした失敗談があります
膝の靭帯をスキーで伸ばして数年後、
痛みを感じることも無くなってすっかり治ったと思っていました。
で、10時間以上山道を歩いたところ急に膝の痛みが再発??
足を半分引きずりながらしか歩けなくなりました。

一晩寝たらまた復活するだろうと高を括っていたのですが、
朝起きたところまだ痛い
でも今日も10時間は歩かないと帰れない。

1時間ぐらい我慢して歩いていたけれど普段の半分ぐらいのスピードでしか
動けない?

一緒に歩いていた仲間が一言薬飲んだの? と言いました。

本当は飲みたくなかったけれど飲んだところ30分もたたないうちに
嘘のように痛みがなくなりました。

歩くスピードがいつもより速くなったぐらい快適なんです。

薬が切れるはずの時間になっても痛みは起こりませんでした。

痛み止めってやはり便利なものです。
しかし、常用すると胃潰瘍などいっぱい副作用があります。
なるだけお薬に頼らず必要な時だけ使う。
これが大事ですね。


お薬のこと相談したいんだけれどって方はお気軽に
お問い合わせください。