不安が止まらない脳”に何が起きているのか
突然、心臓が激しくドキドキし始める。
息が苦しい。
胸が締め付けられる。
「このまま死ぬのではないか」という強い不安に襲われる。
救急車を呼び、病院で検査を受けても、
「異常はありません」
と言われる。
でも本人にとっては、
決して“気のせい”ではありません。
私はこれまで、
救急医療の現場で、
過換気症候群として搬送されてくる患者さんを数多く診てきました。
突然息ができなくなり、
手足がしびれ、
強い恐怖に襲われる。
しかし検査では、
命に関わるような異常は見つからない。
だからこそ、
周囲から理解されず、
さらに苦しんでしまう方も少なくありません。

実は私自身も、
いわゆる“プチパニック”のような状態を経験したことがあります。
夜中に突然目が覚め、
「息ができない」という感覚と、
強い不安感が襲ってきたのです。
もちろん医師として、
本当に空気がなくなっているわけではないことは理解しています。
でも身体は、
まるで命の危険が迫っているかのように反応するのです。
ただその時、
どこか冷静な自分もいました。
私は電気をつけ、
台所へ行き、
コップに水を入れました。
そして、
「大丈夫。空気はちゃんとあるからね」
と自分に言い聞かせながら、
ゆっくり水を飲みました。
すると少しずつ、
落ち着いていったのです。
その時私は、
「これが患者さんの言っていた感覚なんだ」
と実感しました。

理性ではわかっていても、
身体が“危険だ”と判断してしまう。
パニック障害とは、
単なる気持ちの問題ではなく、
脳と自律神経の“警報システム”が過敏になっている状態とも考えられています。
そして近年、
この“警報システム”を調整する重要な仕組みとして注目されているのが、
「内因性カンナビノイドシステム(ECS)」
です。
ECSは、
- 不安
- ストレス反応
- 睡眠
- 自律神経
- 炎症
など、
身体のバランスを保つために働いているシステムです。
特に、
恐怖や不安に関わる脳の部位である「扁桃体」とも深く関係していることがわかってきています。
現代人は、
- 慢性的なストレス
- 睡眠不足
- 情報過多
- 緊張状態
- カフェイン過多
- 呼吸の浅さ
などによって、
常に“交感神経優位”になりやすい環境に置かれています。
つまり、
脳の警報装置が、
常に過敏になりやすい時代とも言えるのです。
CBDは、
このECSに作用する成分として研究が進められています。
もちろん、
CBDを飲めばすべて解決する、
という単純な話ではありません。
しかし、
“過剰に興奮した神経系を整える方向”
として、
注目されているのです。
私自身、
予防医学や統合医療に関わる中で感じるのは、
パニック障害の方は、
「弱い人」なのではなく、
むしろ、
頑張りすぎて、
警報システムが過敏になっている方が多い、
ということです。

だからこそ大切なのは、
単に症状を抑え込むことだけではなく、
- 呼吸
- 睡眠
- 軽い運動
- 腸内環境
- 栄養
- 自律神経
- ECS
などを含め、
“安心して戻れる身体”を作っていくことなのではないかと私は感じています。


